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家づくりコラム自分の街の用途地域を知ろう

こんにちは。スタッフの森岡です。
「用途地域」というワードは聞いたことがあるけど、一体何?(ちなみに私もそうでした。)

「用途地域」は「街の風景」とつながりがあることが、今回コラムを書いて分かりました。
このコラムでは、特に土地探しをされている方に読んで頂ければと思います。

目次

1:用途地域って何?

都市にはみんなが好き勝手に色んな建物を建てていいのではなく、その地域の土地の使い方や建物の建て方に関するルールがあります。
住居、商業、工業といった土地の使い方は、混ぜてしまうのではなく同じ場所に集めることで、環境が守られ人々の利便性が高まります。住宅街の中に大きな音を出す工場などが建設されないのはそうしたルールがあるからです。
このように都市計画では都市をいくつかの種類に区分し、これを「用途地域」と定めています。

用途地域の種類

用途地域の種類は住居系の8地域、商業系の2地域、工業系の3地域の13種類に分類することができます。どのような地域があるのか順に見ていきましょう。
なお住居系の1)~7)は基本的に下にいくほど色々な種類の建物が混在した街並みになると捉えておくと、理解しやすいと思います。

1)第一種低層住居専用地域

低層住宅のための地域です。
床面積が50㎡までの小規模な店舗が建てられます。
また大きな病院は建てられませんが、診療所や老人ホームは建てられます。
「閑静な住宅街」の多くはこの地域に当てはまります。

2)第二種低層住居専用地域

主に低層住宅のための地域です。
小中学校などのほか、床面積150㎡までの一定の店舗が建てられます。
床面積150㎡は大体一般的なコンビニの大きさくらいで、小さなスーパーなど、生活に困らないような商店が近くにある地域だと言えます。

3)第一種中高層住居専用地域

中高層住宅の為の地域です。
建物の高さ制限はなく、床面積500㎡までの一定の店舗のほか、病院や図書館、大学などが建てられます。
容積率などの制限は緩くなり、主にマンションを中心とした中高層住宅地に、集合住宅、2階・3階建の戸建、店舗などが建てられ活気のある住宅地になります。

4)第二種中高層住居専用地域

主に中高層住宅の地域です。
床面性が1500㎡までの一定の店舗が建てられます。
ある程度の快適な住環境を維持しつつ、利便性が高い施設が建てられる地域です。
事務所も建てられますので、働く場所が身近にある住居地域ともいえます。

5)第一種住居地域

住居の環境を守るための地域です。
床面性が3000㎡までの一定の店舗のほか、ホテルや旅館、ボーリング場、ゴルフ練習場などのスポーツ施設も建てられますが、基本的には住居地域ですのでマージャン屋、パチンコ屋、カラオケボックス等の建築が原則として禁止されています。

6)第二種住居地域

主として住居の環境を守るための地域です。
大規模な店舗、事務所、ホテルなども建てられます。
第一種住居地域とは違いマージャン店、パチンコ店、カラオケボックス等も建てられます

7)準住居地域

道路の沿道地域にふさわしい施設と、住宅との調和を図るための地域です。
第二種住居地域に建てられるもののほか、客席の床面積が200平方メートル未満の劇場などが建てられます。
住居系の地域の中では最も様々な建物が混在するにぎやかな地域です。

8)田園住居地域

農地と調和した低層住宅の良好な環境を守るための地域で、2018年4月に新しく追加された用途地域です。
第二種低層住居専用地域に建てられるもののほか、農産直売所や農家レストランなどが建てられます。

9)近隣商業地域

住宅地周辺で日用品の買物などをするための地域です。
住宅のほか、床面積が10,000平方メートルを超えるお店、カラオケボックスなどが建てられます。

10)商業地域

銀行、映画館、飲食店、百貨店などが集まる地域です。
住宅や小規模の工場も建てられます

11)準工業地域

主に軽工業の工場やサービス施設等が立地する地域です。
危険性、環境悪化が大きくない工場や、住宅、お店などが建てられます。

12)工業地域

どんな工場でも建てられる地域です。
住宅や床面積が10,000平方メートル以下のお店は建てられますが、学校、病院、ホテルなどは建てられません

13)工業専用地域

工場のための地域です。
どんな工場でも建てられますが、住宅、お店、学校、病院、ホテルなどは建てられません

用途地域によって定められているもの

建てることが出来る建物の種類のほかに下記のようなものが用途地域によって定められています。

・容積率

容積率とは敷地に対して建てられる建物の大きさ(床面積)の割合です。
例えば100㎡の土地の容積率が50%だと50㎡の床面積の建物しか建てられないということになります。

建蔽率

建蔽率とは敷地に対する建物が建てられている部分の面積の割合です。
住居系の建ぺい率は30~80%で、家を建てる時には特に確認しておく必要があると言えます。

高さ制限

絶対高さ制限、道路斜線制限、隣地斜線制限、北側斜線制限の4種類に分けられますが、いずれも前面道路や隣接地の日当たりや通風を確保するために、建物の高さを制限するルールのことです。

どうやって調べるの?

用途地域を知ればその町がだいたいどんな地域なのかが分かるともいえます。

自分が住んでいる地域や、住むことを検討している地域がどの用途地域に指定されているかは、都道府県や市区町村の窓口で分かります。
最近は自治体のホームページや検索に便利な「用途地域マップ」といったサイトを利用すると簡単に調べることもできます。

用途地域マップはこちらからご覧ください(他サイトが表示されます)

身近な地域を例に

モデルハウス

ダイシンビルドのモデルハウスがある閑静な住宅街は「第1種低層住居専用地域」でした。
第一種低層住居専用地域は駅からは少し距離があることが多いですが、建ぺい率も50%とゆったりとした家が並ぶ街並みです。

ダイシンビルド事務所

事務所周辺は「第2種中高層住居専用地域」に当てはまります。
周りは住宅が多いですが、少し歩くとスーパーや飲食店、商店街など生活に困らない施設が駅前に揃い、その地域は「近隣商業地域」に当てはまることがわかります。

道頓堀周辺

最後に、ビルやホテル、飲食店などがひしめき合うなんば~心斎橋周辺は「商業地域」と指定されています。
高いビルが多いのは容積率が400%まで許容されているからですね。

土地探しの“ものさし”としての用途地域

「~地域」というワードだけを聞いてもピンと来ないかもしれませんが、こうして自分の身近な地域で調べてみると実感が湧きそうですね。
これから土地探しを考えている方は自分の住んでいる地域を“ものさし”にして土地について考えると良いかもしれません。