

2025.03.20
こんにちは、WEBスタッフの後藤です。
先日、大阪府豊中市にて構造見学会(2025年2月23日開催)を開催させていただきました。
構造見学会開催の機会を下さった住まい手さん、寒い中ご来場くださった皆様、誠にありがとうございました。
構造見学会では寒さ厳しい中、多くの方に弊社の断熱性能をご体感及びご質問を頂くことができました。
そこで今回のコラムでは、3連休の中日に開催された構造見学会の様子を、いただいた質問を基にお伝えいたします。
2月の3連休は寒さが厳しくなるとの予報通り、近畿地方でも山手の方では積雪が観測されるほどの寒さとなりましたが、見学会会場付近は雨も雪も降らず、見学会日和となりました。
ダイシンビルドが開催する構造見学会は、一般的な構造見学会とは少し違い、断熱施工をじっくりご覧いただくことを目的に開催させていただいております。
理由は、弊社が取り組み続けている高断熱高気密住宅の性能は体感いただくことは出来ても、完成後には目で見て触れることができないため、なかなか理解されにくいという現状があります。
日程:2025年2月23日(日・祝)
時間:10時~17時 完全予約制
場所:大阪府豊中市
設計:森岡日菜子(弊社設計士)
Q1住宅レベル:3
今回、構造見学会会場としてお住まいをお貸しくださったお住まいは、将来のことを考えた可変性の高い2階建てプランです。
小上がりを採用したリビングの他、広い玄関土間など、お施主さんのご要望とライフスタイルや趣味が随所に反映された形となっています。
建築地大阪府豊中市は、比較的温暖な6地域です。
天井・屋根に吹き込みグラスウール32k300mm、外壁にはHGW16k120mm+GWB32K60mm、床と基礎には押出法PSF3種bA 50㎜を採用することで、Q1住宅レベル3となっているのですが、この数値はあくまで計算上のものです。
建築士が行った計算やプランを実際の形にし、住まい手さんが一年を通して快適に暮らせる家にするのは現場であり、職人さんの手仕事になります。
私たちが構造見学会へ参加されることを強くお勧めするのは、建築士が行った設計は机上の空論ではなく、「家」という現物であり、現場と職人さんの手仕事で作り上げていく過程をご覧いただきたいからです。
実際の現場を隅までご覧いただけるのは、構造見学会だけですから。
防湿シートを押し上げるグラスウール、ぱんぱんに詰まっています。
この上からボードを貼ることで、柱と柱の間にグラスウールがみっちり詰まります。
スイッチや配線の引き込みには、気密コンセントボックスを施工します。
気密コンセントボックスの周りもテープでびっちり止めることで、気密性を確保しています。
リビングから見上げた屋根の断熱施工。
写真に写っている構造材は、住まい手さんが選ばれた奈良県吉野の天然乾燥させた無垢材です。
天然乾燥の木は木肌の色つやが違い香りも芳醇でとてもおすすめなのですが、見学されている方から「乾燥方法に限らず、無垢材は構造計算的に問題は無いのですか?」とご質問いただきました。
確かに、天然の材である無垢材にはばらつきがあります。
野菜や果物を同じ日に同じお店で購入してもそれぞれ違うように、産地や個体によって木目も強度も違いますから。
その為、JAS基準の工場で生産された強度指定の集成材を使用する方が、計算上楽になるのは事実です。
しかし、無垢材の心地良さを知る身としては、無垢材を安心していただき、快適に暮らしていただきたいという思うがあります。
その為弊社では、標準的にその樹種が持つ強度の「一番弱い数値」で構造計算を行っています。
※2階建てまでの住宅を建てる際には必要なかった時代でも、欠かさず行ってきました。
その上で、弊社が建てる家は長期優良住宅の基準である、建築基準法の定める強度+1.5(耐震等級3)を標準としているので、ご安心ください。
弊社の断熱施工は、断熱材をただ入れるのではなく、断熱材が基礎から壁まで途切れることなく連続するように施工を行います。
これによって、家全体で高い断熱性能が確保できるのです。
その上から、防湿シートを断熱材同様、基礎から壁まで継ぎ目なく連続させて施工していくのですが、その際、シートとシート自体にもつなぎ目が無いよう、テープでびっちりと貼り付けていきます。
写真に写っている「黒いテープ」がそれに当たるのですが、今回の見学会で断熱施工の様子をご案内している際、シートに隙間が無い点を気にされた方から、結露についてのご質問をいただきました。
結露には、「表面結露」と「壁体内結露」の2種類があり、冬場目にするのが「表面結露」で、家にとって恐ろしいのが「壁体内結露」になります。
何故恐ろしいかというと、壁の中という見えないところで発生する「結露」だからです。
結露については別のコラムで詳しくお伝えさせていただくので、今回は割愛させていただきますが、結露の発生には温度差と湿気の両方が欠かせません。
言い方を変えれば、どちらかの条件がそろわなければ、結露は発生しないのです。
温度差は正直どうしようもありません。
外が暑くても快適な室内、寒くても快適な室内を実現するとなるとどうしたって温度差は発生してしまうので。
そのため、湿気の対策を取るのですが、そこで登場するのが、写真に写っている湿気を全く通さない防湿シートです。
防湿シートはたった1枚の透明なシートですが、その名の通り全く湿気を通すことが無く、住宅の性能や維持にとって非常に大きな役割を果たします。
ただし、隙間があっては元も子もないため、基礎から壁、屋根まで途絶えることの無くびっちりと施工する必要があるのです。
ビニールのため一見蒸れそうな印象がありますが、このシートは湿気を通さないので蒸れることがありません。
家中を覆う、防湿シートの様子
ちなみに、家には外部と繋がる貫通部分があります。
貫通部分も、上記写真のように施工を行い、途切れることが無いようにしています。
代表清水が、気密に関する材料を紹介している様子。
様々な材料を使用して、家中の気密を確保しています。
最後にご紹介するのが、今回の見学会質問NO1の箇所です。
今回の構造見学会会場では、断熱材で覆われた家の中だと不自然に見える「壁」が一角にあったため、度々「この壁なんですか?」「ここは断熱材が入らないのですか?」とご質問をいただきました。
サーモで温度を確認している建築士の右側の壁が、多くのご質問を頂いた壁です。
確かに、なぜここだけ断熱材ではなく壁になっているのか・・・住まい手さんでさえ不思議に思う程、突然現れる壁ですが、実は「耐力壁」と呼ばれる壁で、地震や風などの水平方向の力に耐えるために、構造力学上重要な役割を担う壁です。
耐震壁とも呼ばれます。
耐力壁には、筋交いを使った壁や面材耐力壁、たすき掛け筋交いなどの種類があるのですが、なぜ面材耐力壁を建築士が採用したのかというと、この壁が外周に面しているからです。
外周に面する部分には、耐力壁だけでなく断熱材も入れる必要があります。
その為、筋交いではなく合板による耐力壁の施工が行われているのです。
設置位置に関しては、構造計算のもと必要とされる場所が決まっています。
耐力壁は、断熱材の上に施工され、耐力壁の上に防湿シートが施工されます。
耐力壁の裏には他の壁と同じくHGW16K 120mm +GWB32K 60mmの断熱材が入っておりますので、ご安心くださいね。
理想のマイホームという言葉から想定されるものは、完成されたお家であり、先ほどの設計の話で言うと、間取りやデザイン的なものになりがちです。
しかし、耐震性や断熱性といった住まいの性能を左右する設計は、完成後に見えなくなってしまう部分に施工されており、完成したお家を見学したのでは実際の設計や施工状況を見ることは叶いません。
その為、弊社では断熱施工が終了した直後に構造体と施工を、見学いただく機会を設けています。
構造見学会でご覧いただく部分には、家の根幹である、安全性、快適性、そして将来性を左右させる設計と技術がほぼすべて詰まっていると言っても過言ではありません。
清水(弊社代表)はよく、設備にお金がかけられなくても、壁の中にはお金をかけるべきだと言っています。
理由は、設備や見える場所は後でもお金をかけられますが、基礎や壁の中にある構造は後から手を入れることができない上、家の質に直結するからです。
構造見学会では、建築士が案内させていただくのか、営業スタッフなのか、それは会社さん毎に違いますが、設計と施工技術をじかに見ながら「なぜこうするのか」「これはなぜこうなっているのか」など、聞き放題なのが基本です。
弊社でも、代表清水の他、会場となっている住まいを設計した建築士(自社設計の場合)や、他の建築士、現場監督がご案内させていただいております。
営業スタッフがいないため、話は少し苦手かもしれませんが、住宅に関することならいくらでも話が尽きないスタッフばかりです。
見学会の会場に足を運ぶのは少し手間ですが、家は一生のものです。
家づくりを検討中の方は、構造見学会には必ず参加されるようにしてくださいね。
弊社が開催する見学会の情報は、代表清水が毎日綴っているメルマガが最速です。
次の見学会にはぜひ参加してみたい!という方は勿論、ちょっと気になるなーという方も是非メルマガへご登録下さい!