こんにちは、ダイシンビルドのWEBスタッフ後藤です。
つい先日、吉野山の見学ツアーが開催されました。
今年はあらゆる自治体の小学校の運動会とタイミングが重なってしまったため、「参加できず残念です・・・」というお声をいただいてしまいました。
花粉症と被らないから良いな!と喜んでいたのですが、やはり沢山の方に喜んで参加いただける日程というのは大変難しいですね・・・。
これからもイベントの日程については様々な方面で考え、最適な日をお伝えできればいいなと思っております。
というように、今回のコラムはイベント開催日の反省のような内容で始めてしまいましたが、吉野山にかかわらず、弊社は基本的に緑が大好きです。
無垢材が好き、緑が好き、庭が好き。
庭が設けられない立地でも、何とか緑を取り入れる方法は無いか考えるのは、清水はじめスタッフ全員の常です。
最近、庭にはデメリットの方が多いというような話もちょこちょこ耳にするようになりましたので、今回のコラムでは庭がある方がいい理由についてお伝えさせていただきます。
庭が必要か必要で無いかだけで考えるなら、正直、人によるとしか言えません。
事実、緑が大好きと言っている弊社のWEBスタッフである私は、庭も観葉植物もいらない派です。
理由は、うまく手入れできないからにつきます。
結婚当初憧れてガーデニングなんてしてみたり、家庭菜園なんてしてみたり、部屋に緑を飾ってみたり。
何度も試してみましたが、豆苗すら失敗する私には、緑の手入れは無理だったことから、いらない派と言えば聞こえの良い、「何をやってもうまく手入れできないから諦めた派」に泣く泣く落ち着きました。
私のように手入れが全くできないから無理、という方もいらっしゃれば、手入れをあまりしなくて良い家を建てたい。忙しいから庭の手入れなんてそもそも無理という方もいらっしゃるのは当然だと思います。
実際、庭木の無いお家、家と駐車場だけのお家を見かけることが増えたのは事実ですから。
私がそうであるように、お庭は無くても生活していくには何ら問題はありません。
しかし、心地よく質の良い暮らしをしたいと望むなら、どんな形であれ、お庭や緑は作るべきだと断言します。
集合住宅にはない、一戸建てだけが持つメリットの一つに、屋外のスペースも家の空間として使えるという点があります。
自分たちだけが自由に使える屋外だからこその楽しみ方がお庭にはありますので、いくつかご紹介させていただきますね。
目を癒してくれる緑だけでなく、花壇でお花を育てたり、小さな畑を作って家庭菜園が出来るのは、お庭があってこその楽しみです。
特に実のなる木を植えたり、お花やお野菜を育てると、季節ごとに変化するお庭を楽しむことができます。
特に、家庭菜園は野菜を育て収穫し食べてみるという、家族で貴重な時間と体験が楽しめるので、食育や思い出作りとしてもおすすめです。
バーベキューをしたり、テントを出したり。
それも楽しいことには変わりはありませんが、別に大したことをする必要はありません。
いつもリビングで過ごすように、家族でくつろいだり、ご飯を食べるだけでも、お庭なら「お外で」という言葉が付く、特別な時間を過ごすことが可能です。
食事でなくても、椅子やレジャーシートを出してジュースを飲んだり、お茶をしたり、お菓子を食べたり、読書を楽しんだり。
そんなちょっとしたことで日常とはちょっと違う気分が味わえるのが、「お外」の持つ力です。
お庭は自分たちのプライベートな自分たちだけの「お外」なので、もう一つのリビングとして普段から利用されるのがおすすめです。
お庭を設けたいという目的には、お子さんの遊び場としてという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
夏にはプールを出したりテントを出してキャンプを楽しんだり、なかなかできる場所が無くなってきたボール遊びも出来るのが、自分たちだけのお外であるお庭のメリットです。
お庭なら子どもたちが気軽に外遊びや水遊びが楽しめるのはもちろんですが、さらに大きなメリットとして、親が楽だという点があります。
それは、公園や運動場とは違い、室内からお子さんが遊んでいる様子が見えるからです。
子どもたちが楽しく遊ぶ様子を見守りながら、家事や仕事が出来るというのは、忙しい現代社会に生きる親にとって、庭を造る非常に大きな理由ではないでしょうか。
公園や運動場と比べると小さなスペースであり、大きな遊具なんかは設置できませんが、自分たちだけの空間だからこそ、様々な楽しみ方や工夫ができますよ。
家を建てる時、外観は何でもいいという方はいらっしゃいませんし、素敵な外観を見たとき、「こんなお家が建てたいな」と思われるのではないでしょうか。
実は、外観は家の形や外壁の質感、色彩が重要なポイントであることは事実ですが、お庭や緑の有無が外観に与える影響はとても大きいのです。
下に事例をあげさせていただきますね。
左のお写真は、施工完了時(2019年)に撮影したもの、右は、最近(2024年)撮影した写真です。
いかがでしょうか?
5年の月日によって外観の経年変化は進みましたが、それだけではなく、写真全体が絵のようになっていると感じませんか?
なんとなく、本の中に出てきそうな、ト〇ロの世界にありそうな、そんな世界です。
もし同じように感じてくださったのなら、そう感じる理由は、緑にあります。
敷地にお家だけが建っている状態は、どうしても平面的になってしまう上、建物だけで奥行や立体感を持たせるのは、高性能住宅になればなるほど難しくなります。
そして、高性能住宅でなくとも、複雑な形の家は建築費や維持費が、シンプルな形状のお家と比べるとどうしても余計にかかってしまうというデメリットがあります。
だからこそ、建物だけで立体感を作るのではなく、敷地全体を利用して立体感を作ることが、素敵なお家を建てるための重要な要素となります。
この立体感は、敷地の大小にかかわらず、お家と外構を一緒に計画することで、より良い立体感を生み出すことが可能です。
お庭の効果は、外に出たときだけではありません。
家の中からも大切な役割があります。
それは空間を広く感じられるという点です。
まずは下の写真をご覧ください。
モデルハウス窓のある景色
モデルハウス窓が無かった場合(壁を合成ではめ込んだので違和感はご容赦ください。)
上の写真は弊社モデルハウスのリビングです。
部屋のサイズや家具等に変化は一切ありませんが、窓が無くすべて壁だった場合、息が詰まるような閉塞感がありませんか?
上記のように同じ空間で窓のあるなしを比較してみると、窓を設ける重要性がお分かりいただけるかと思います。
では、次に下の写真をご覧ください。
窓から見える景色が隣家やコンクリート打ちの駐車場や道路だった場合と、緑のあるお庭だった場合。
上記写真は隣家の壁をイメージしたため、緑と比較するには極端な違いがありますが、開放感が全く違うと思いませんか?
同じ外なのになぜ駐車場や道路、隣家と庭では開放感が違うのか。
それは、眺めたくなるような景色であるかどうかの違いです。
駐車場や道路、隣家の場合、決して眺めたい景色ではありませんよね。
それどころか、人の視線やプライバシーを気にして、せっかくの窓に厚いカーテンを閉めてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
それはせっかく取り入れた窓が余りにも勿体ないですよね。
そこで利用していただきたいのが、お庭です。
小さくとも緑のあるお庭なら、家と外に圧迫感の無い境界を設けることが可能ですよ。
今では一般的となったパッシブデザインに欠かせないのがお庭です。
一戸建て住宅の場合お庭は見た目だけでなく、実用的な役割を担っている場合が多くあります。
土地の取得が難しい阪神間では一概に言えませんが、基本的にはお庭は家の南側に取ります。
理由は、家の南側に空間を確保し、日当たりをよくするためです。
しかしこの日当たり、冬場は暖かくてありがたくても、暑さ厳しい夏場は遮りたいですよね。
そこで出てくるのが、日差しを計算した上で落葉樹を植えるというパッシブデザインの考え方です。
夏と冬で景色を変える落葉樹は、夏は日陰を作り、冬は貴重な日当たりを遮りません。
家の断熱性能、気密性能を高めることはもちろん重要であり現在の家造りでは必須と言えることですが、庭を含めて日差しの計算を行うことでより心地よく、質の良い暮らしが叶います。
最近多くの区域で取り入れられるようになってきた、緑地率をご存じでしょうか?
緑地率とは、地域ごとに定められた、敷地内の緑の割合を指します。
中には、敷地面積の90%を緑地にしなくてはいけという、ありえない緑地率を求めている地域もあります。
100坪買っても10坪しか家を建てられないという、思わず笑ってしまう程厳しい基準ですが、なぜこんな厳しい基準が定められるのか。
それは、緑や庭がその街の印象を決めてしまう力を持っているからです。
桜が咲くと暖かくなる春を感じ、葉桜になった姿を見ると、夏へと向かっていく季節の移ろいを自然と感じるように、人は目に映る緑や花で季節を感じ、豊かな気持ちになる生き物です。
大きな土地の取得が難しい阪神間では特に、大きなお庭を設けることは難しいですが、緑の美しさと心地よさは、庭の大きさに変わりはありません。
緑は手間のかかるものですが、自分たちが暮らす街を美しく保つためにも、お庭はつくるべきだと考えています。
先でもお伝えした通り、最近はお庭の無い家が多くなりました。
あってもテラスしかないというようなお家も多々見かけます。
確かに、緑は手間がかかりますし、私のように何をやっても枯らしてしまうという方もいらっしゃるかと思います。
でも、せっかく一戸建てを建てるのであれば、お庭とセットの家づくりを考えてみてはいかがでしょうか?
その際に、どこまでなら手入れ可能で、どこからは難しいのか。
自分たちでできる範囲を考えるのも、とても大切です。
例えば、芝生が茂り果樹や落葉樹が複数本植わっていても手入れが出来る方もいらっしゃれば、シンボルツリー1本なら大丈夫!という方もいらっしゃるでしょう。
家を建てるとき、理想だけで決めてしまっては、後々荒れ果てたお庭になってしまうことが容易に想定できます。
(私がそれです・・・)
無理のない範囲で、心地よく質の良い暮らしができるお庭はどんなお庭なのか。
自分たちに適したお庭はどんな形をして、どんな緑が植わっているのか。
庭は家造りとセットで計画することで、より無理と無駄のない、敷地を最大限に生かす計画が可能です。
家の価値を高めるためにも、心地よさと質の良い暮らしを叶えるためにも、一戸建てを建てようかな?と思った時にはお庭まで含めたお家のデザインと暮らしを想像してみてくださいね。