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家づくりコラム理想の家を建てるために必要なのは設計力?施工力?

こんにちは、ダイシンビルドWEBスタッフの後藤です。
近頃強く思っていることの一つに「最近の若者がすごい」があります。
この思いは、弊社の設計や大工、職人などを始めとした、頑張っている若者を直接目にできる機会があるからだと考えているのですが・・・これは弊社の現象なのか、他でもそうなのか。
または、私が誇れる若者だった記憶が無いため、若者を「すごい」と思う機会が多くなっているのか。
心当たりが多すぎて判断したくないなと思いつつ、今回のコラムでは、工務店と設計事務所について軽くご紹介し、理想の家の建て方についてお伝えしたいと思います。

工務店の設計士弊社設計士の様子

そもそも工務店ってなに?

工務店とは、建設工事が出来る中小の業者を指します。
建設工事と一言で言っても、形態は多岐にわたるため、大きく3つに分かれるのが特徴です。

1つ目は、独立系工務店
自社の中に設計士、大工、営業など、全ての業務が賄えるスタッフを抱えている工務店です。
集客、打ち合わせ、設計から施工・監理まですべて自社で行っています。
一般的な工務店よりも規模が大きいのが特徴で、ハウスメーカーに近い存在です。

2つ目は、施工特化型の工務店
施工技術に特化した工務店です。
設計士を自社に抱えていないことが多く、設計事務所と組んで住宅を建てています。
施工特化型の工務店では、施工を工務店が、設計・監理を設計事務所の設計士が行うことが一般的です。
地域密着型が多く、規模は大きくありません。

3つ目は、下請け特化型の工務店
ハウスメーカーや不動産会社の建売の下請け業務を請け負う工務店です。
お施主さんが直接かかわる機会はありません。

他にも、リフォーム専門の工務店や、フランチャイズ形式の工務店など、様々な方法で建築工事にかかわっている工務店がありますが、大きく分けた場合、上記3つとなります。
ただ、1つ目の「独立系工務店」と、2つ目の「施工特化型の工務店」は、「設計」という家づくりにおいて重要な部分が違うにもかかわらず、外から見ている分には規模以外の違いがあまり分かりません。
その為、気になった会社がある場合、設計はどうなっているのか問い合わせてみるのが大切です。
問い合わせの際には、気になる施工事例がある方はお家のタイトルと共に質問すると、返答がより明確になります。
施工事例を確認する際には、写真やスペックと共に「お家のタイトル」も気にしておいてくださいね。

設計事務所ってなに?

設計事務所とは、設計士が建物の企画・設計・監理などを行っている組織を指します。
設計事務所も工務店と同じく、いくつかのタイプがあります。

1つ目は、設計士が自身1人で事務所を構えている設計事務所
設計士1人で営んでいるため、設計を依頼した場合、本人が設計・監理を行います。
このタイプの設計事務所に依頼した場合、他の設計士の設計になることはまずありません。

2つ目は、代表の設計士が、複数の設計士を抱えている設計事務所
最近ではアトリエ設計事務所と呼ばれていることもあります。
アトリエ系と呼ばれる設計事務所の特徴の一つに、建築家個人の作家性を強く反映した設計を行うというものがあります。
設計を行うのは、代表の設計士の他、所属している設計士など様々です。
設計事例を参考にした場合、どの設計士が担当したのか質問すると共に、現在もその設計士に依頼することは可能か確認することが大切です。

3つ目は、数十人~数百人の設計士を抱える組織設計事務所
公共施設や民間施設の中でも、中規模以上の事業系物件を中心に扱います。
住宅の設計を行うことはほぼ無いとの認識で問題ありません。

設計事務所で行う家づくり(施工)について

設計事務所に家づくりを依頼した場合、タイプにかかわらず設計事務所は家づくりの流れのなかで「設計」と「監理」を担当します。
施工は設計事務所が紹介する工務店や、いくつかの見積もりを取った上で施工する工務店を決める流れが主流です。

人気のある工務店や弊社のような性能や素材にこだわる工務店では、設計事務所からの見積もり依頼に対応していないと考えていただいた方が良いかもしれません。
理由は、「見積もりを求められた設計では性能の数値が出せない」「暮らし方を取り入れる設計と性能は、同時に計算する物である」との考えがあるためです。

設計を依頼したい設計士がいるが、施工を依頼したい施工業者もある方や、ご自身が設計士という方は、設計を始める前に施工業者である工務店に問い合わせされることで、理想の家づくりが叶う場合があります。
かく言う弊社もそのタイプなので、設計士と施工業者両方を指定したい場合は、事前に確認を取られることを強くお勧めいたします。
ただし、住宅の性能は設計に付随しているため、性能を取得するための知識が設計士に求められます。
性能レベルに譲れない線引きのある工務店は、設計士とお話をさせていただいたのち、お受けできないこともあるということは念頭においてご相談くださいね。

理想の家を建てるためにできること

「理想の家ってどんな家ですか?」と質問された時、どのように答えるのか、それは人それぞれ違います。
ちなみに、私は「手間のかからない家」が理想です。
豆苗さえ枯らしてしまうほどずぼらな私にとって、手間がかからないというのは、一つでも手間が少ないことを指します。
例えば、収納に書類をしまう前の一動作。
収納に付いている扉の開閉がすでにめんどくさいので、扉そのものがいらないというような感じです。

私と同じように理想の家を「手間のかからない家」と答える方がいらっしゃったとして、実は「手間」という言葉がさしているの中身は人それぞれ違うことが多々あるのが、家づくりの現場です。
「手間」を「メンテナンス」と考えられるお施主さんなら、メンテナンスが最小限ですむ材を使用した家を理想とされるでしょうし、「手間」を「動線」で考えられるお施主さんなら、自身に合った暮らし方や生活習慣に合った設計を理想とされているからです。

家を建てる際に重要なことに、「価格」「設計」「素材選び」「性能」「施工技術」がありますが、例えば、素晴らしい設計を行っても、素材や性能、施工が悪ければ家として話になりませんし、カッコいい外観であっても、暮らしにくいと理想の家にはなりません。
逆に、性能が素晴らしく、暮らしに合った動線が構築されていても、まったく好きになれないデザインならやはり理想の家には成りえませんよね。

「価格」「設計」「素材選び」「性能」「施工技術」、確かにどれも理想の家づくりにおいて大切で重要なポイントですが、大切なことは「この【家】が素晴らしい」とお施主さんご自身が思える家が建つことに他なりません。
ただ言葉で言うのは簡単ですが、どれか一つだけが重視された家ではなく、全てが詰まった家を建てるためには、設計と施工と監理すべてを持ち合わせる高い総合力が必要となります。
総合力と一言で言っても重視する点が多岐にわたる家づくりでは、総合力を持っている会社かどうかの判断が難しいため、総合力の有無を見極めるためにも「打ち合わせ」の仕方と「実際の家」を見て体験するということを大切にしてください。

打ち合わせを大切にする理由

打ち合わせを大切にする理由は、理想の家の構想は、暮らす人の頭の中にしかないからです。
先に書いた私の理想で「手間のかからない家」の件をお伝えした際、「手間がかからない」と一言で言っても、何を「手間」と取るのか人によってまるで違うと記載しました。
言葉や思い・感覚は複雑で、「理想」は形が無いからこそ伝えなければ誰にも伝わりません。
このことは、他人だから、会社だから、スタッフだからではなく、同じ言葉でも受け取り方や感じ方が全員違うからです。

打ち合わせは、言葉の意味に含まれる思いや生活習慣、その人の暮らし方を聞き出し確認する作業です。
その為、「理想の家」を建てるには、「理想の家」について話すお施主さんの言葉を勝手に解釈するのではなく、言葉の意味までしっかり打ち合わせできる会社を選ぶ必要があるのです。

実際の家を見て体験する重要性について

多くの打ち合わせを重ねて、理想の家の設計図が出来上がりました。
図面を見ているだけでウキウキしますよね。
話し合いを重ね、家族でもお互いの主張を言い合い、時にはヒートアップするタイミングもあったかもしれません。
でも、後はこの図面を形にするだけです、もう少しです。

と、言いたいところなのですが、注文住宅は工業製品ではありません。
特に工務店や設計事務所を利用して家を建てる場合、一軒一軒手作りです。
その為、やはり出来不出来があるのです・・・。

完成してから「あれ?」となるのを避けるためにも、依頼する会社の力量が知れる「実際の家」の見学は絶対に行ってほしいのです。
特に見学会といったイベントは、会社のモデルハウスとは違い、お施主さんがいらっしゃる等身大のお家です。
自分たちと同じ立場の人が、打ち合わせを重ねローンを組んで建てたお家は、その会社の力がつぶさに表れているからこそ、家を建てる際には実際の家を見て体験することが重要なのです。

実際の家の見学は、工務店、設計事務所にかかわらず行われていることがほとんどだと思います。
すぐに予約でいっぱいになってしまう設計事務所や工務店もあるので、気になる会社がある方は見学会の情報を逃さないよう注意してくださいね。
中には、事前にお願いしておくと、一般に告知される前に連絡をくれる会社もありますので、気になる会社の対応はどうか確認してみてくださいね。
ちなみに弊社は、社長清水のメルマガが一番最初にお知らせしています。
まだ登録されていない方は、ぜひこの機会にどうぞ!!

まとめ

このコラムの初めに書いた、「最近の若者がすごい」でも、こう感じる理由が何かはよく分からないのです。
もしかすると、私がダメだったからすごいと感じるだけで、元々みんな凄かったのかもしれないし、一部の話なのかもしれませんし。
限られた狭い世界で私が勝手に感じているため、実際はどうなのか、皆さんがどう思われているのか・・・。
でも、「すごいな」「頑張ってるな」「いい笑顔だな」と思える環境にいられることは本当に幸せなことなんだと思います。

そして、理想や感覚・こだわりが全員違うということは、工務店や設計事務所だって、それぞれ3つのタイプに収まったりしないのが本当のところです。
かくいう弊社も、工務店ですが工務店の3タイプには当てはまりません。
いきなりまとめでそんな話?と思われるかもしれませんが、弊社は営業がいない上、大きくも無いため独立系工務店でもなければ、自社で設計を行い自社大工を何人も抱えているので施工特化型の工務店でも無いのです。
もちろん、下請け型工務店でもありません。

弊社も最初からこうだったわけではありません。
お施主さんの理想の家を建てたいと考えているうちに、こんな風に変化しただけです。
工務店、設計事務所と一言で言っても各社、社長もスタッフもお施主さんも全員違うのですから、タイプに収まらない会社だっていくらでも出てきます。

工務店の社員大工弊社の大切な社員大工!

ただ・・・タイプに収まらない会社で働くスタッフたちは、当たり前のように独自のレベルを求められるます。
例えば、弊社設計スタッフに求められるレベルは「家づくりにおける総合力」です。
具体的に言うと、お施主さんの中にある理想を聞きだす「打ち合わせ力」、理想を形に設計する「設計力」、設計を形にする施工の「監理力・監督力」の3つです。
学校を出たばかりの若者がベテランの下、必死でこれらを学んで身に付けていく姿は、「すごい」の一言です。
正直いって長い道のりであり、他の工務店やハウスメーカーでは考えられないほどの業務量ですが、大切なお施主さんの家を建てさせていただくのですから、弊社に限らず家づくりを行う者として「最低限身に着けるべき力」とも言えるのではないかと思います。

ただし、最低限と言っても、非常に高いハードルであることは事実です。
設計を目指す若者すべてが耐えられるわけでもなければ、ベテランすべてが正しく導けるわけでもないと思います。
だからこそ、努力する目の前の若者を「すごい」と思い、導きつつ日々実行し続けるベテランを尊敬してしまうわけですが・・・。
家づくりを行っているスタッフ誰もがここまで出来るわけではないということは、すなわち「理想の家」を建てるために重要となるのが、先にお伝えしたお施主さんの見極め力だということです。

工務店や設計事務所が理想の家を建ててくれるかどうか判断するのは、他でもないお施主さん自身です。
建てた家のローンを払っていくのも、建てた家で暮らし続けるのもお施主さん自身だからこそ、検討中の会社は理想の家を建てられるのかどうか、お伝えしたポイントを基にしっかり見極めてくださいね。

とはいえ、どうやって見極め力を身に付ければ良いのか分からないかもしれません。
家は一生に一度の買い物と言われるほど、多くの人が経験したことの無いことですから、仕方ありません。
でも、経験が無くても勉強はできます。
建築に関する本を読んだり、家づくりの雑誌に目を通したり、優れたものを見て体感することで徐々に良し悪しの判断が付くようになると共に、理想もより明確になり、頭の中にある「理想」が言葉にしやすくなります。

これからの季節は、日に日に暑さが厳しくなり、命の危機を感じるほど暑い日が続きます。
現場の人間にとっては苦しい時期ですが、お施主さんにとっては家の性能と施工技術を実物で体感できる貴重な時期です。
外に出るのも嫌になりますが、今年酷暑を体験できるのはこの夏限りなので、ぜひ見学会会場に足を運んで、性能と施工力を、スタッフと話をして打ち合わせ力を見てみてくださいね。

見学会のお知らせ

弊社でも、7月7日に京町家のリノベーション完成見学会を開催いたします。
関西の中でも特に暑さ厳しい京都の中でも、さらに断熱性が最悪と言われる京町家を、町家の良さを生かしつつフルリノベーションしています。
断熱性能もリノベーションとおもえないレベルです。

今なら時間にもよりますが、ご案内可能です。
新築では無いですが、設計力と性能はしっかりご体感いただける見学会となっておりますので、予定の合う方はぜひご参加ください。
ご予約は下記より受け付けております。

後藤 泉


阪神淡路大震災で自宅が半壊。その後慌てて建て替えた家は、気になる箇所が多く、夏は暑く冬は寒い家でした。そんなことから住宅業界に興味を持ち、ダイシンビルドのWEBスタッフを務めさせていただくようになりました。どうぞよろしくお願いいたします。プロフィール写真は、我が家の愛猫です。