階間エアコン
高断熱住宅で温暖地域での全館冷暖房を考えて
階間エアコンができました
これまでの空調とは何が違うのかを解説します
1.階間エアコンとは
2.階間エアコンのメリット
3.階間エアコンの注意点
4.階エアコンのエアコンの種類
5.まとめ
1.階間エアコンとは?
2016年の新住協総会にて鎌田教授がアメニティーエアコンを使い
全館空調を提案しました。
2017年新住協総会にて鎌田教授が壁掛けエアコンによる
全館空調を提案しました。
1階の床下エアコンをそのまま2階に設置をして全館空調をします
1階の天井2階の床下に冷暖房を入れます
1階と2階の間なので階間になります。
この階間にエアコンの冷暖房を入れるので階間エアコンと呼ばれるようになりました
夏の冷房
冷房は1階は冷たい空気なのでそのまま下がります
2階はファンの力により冷気を上にあげます
冬の暖房
暖房は1階はファンの力で暖気を下げます
2階は暖かい空気なのでそのままでも大丈夫です
暖かい空気は上に上がり冷たい空気は下に下がります
単純な空気の移動です。
足りない分だけはファンの力を借ります
2.階間エアコンのメリット
今までも夏は冷気が下がり冬は暖気が上がる
これを利用して冬は床下エアコンで全館暖房をしてました
夏は小屋裏エアコンや2階の高い場所にエアコンを設置してました
基本は上記のような空調設備になります
夏場の床下エアコンはオフの状態でも大丈夫です
リビングのエアコンは異常に暑い日や寒い日に使います
暖房は大丈夫ですが
冷房の時にどうしても2階の冷房から離れてる場所が冷気が届かない場合があります
上記のような2階の場合は赤色にエアコンを設置すると
吹抜があるのでそこから1階に冷房が降ります
2階の寝室が扉もあり冷房がどうしても届きにくい場所でした
今回は青色の場所に階間エアコンを設置しました
各所にファンを設置してます
床下から冷気が出てるがわかります
冷たい空気もファンで押し上げられます
これで扉を閉めても冷暖房の空調は機能します
天井の様子も上げます
天井も冷気が来てるのがわかります
エアコンから一番離れた場所の吹き出し口になります
一番のメリットはこの全館冷房です
暖房時は床下エアコンで全館暖房が可能になります
断熱された家では暖気がどこかにあると暖房は大丈夫です
冷房時の離れた場所や扉を閉めると冷房は難しくなります
3.階間エアコンの注意点
階間エアコンの注意点も冷房です
エアコンは床下エアコン同じように施工します
2階の床下エアコンだと思うといいと思います
床下エアコンと同じです
この形で冷房をすると全面の囲いに冷気があたり結露します
エアコンの吹き出し口は露点になりそこに何かあると結露します
実際に全面の囲いが結露してカビが出た例です
この後にカビを落として断熱材を施工をされてます
囲いの内側には必ず断熱材を施工します
この囲いの内側は絶対です
そして床に開口がありますがその周りにも木部や
1階の天井を露点に到着しないようにします
冷房の風が当たらないように考えます
ある程度までの範囲は断熱をします
念のために天井点検口はつけるのは忘れないようにしてください
注意点は冷房時に結露をさせないことです
4.階間エアコンのエアコンの種類
階間エアコンも床下エアコンも使う種類は同じになります
エアコンの温度センサーはリモコンの受信の場所付近が一番多いです
(写真赤色の場所です)
以前は吹き込み口付近の緑の場所付近のタイプが多かったです
赤色の場所に温度を感知したらエアコンの周りを囲いますのですぐに温度に反応します
冷房、暖房ともにこの囲いの内側に温度センサーがあると困ります
温度センサーが外部のリモコンでリビングに設置できるのが一番いいです
こちらはパナソニック製になりますがリモコンが温度センサーになります
ちょうどリビングに設置してます
ここで温度を測り冬場も夏場もリビングの温度で設定します
写真は完成見学会で家に多数の人がいました
なので冷房温度少し下げてますが普段は28度ぐらいでいいと思います
エアコンの種類は温度センサーが外部のリモコンで測れる機種を選んでください
5.まとめ
床下エアコンから発展した形で階間エアコンが生まれました
はじめはアメニティーエアコンで各部屋に送ると冷房も解決ができます
上記の写真のようにダクトがあり各部屋に冷暖房ができます
全館空調はこれで決まりだと思ってましたが
やはり私達は建築技術者集団です
このアメニティーエアコンで全館空調をするとシステムで高額になります
床下エアコンの時も創意工夫で一番安価でどこにでもある
壁掛けエアコンを建築で工夫をして進化させました
高断熱住宅で暮らしが始まり
北海道、東北のように暖房システムだけを考えていた頃には必要は無かったです
温暖地で冷房も全館冷房を安価で出来るようにと知恵を出した結果
この形になりました
2019年現在はまだ施工例は少ないです
床下エアコンの時も何年か経過したし施工例が増え
上手くいかない施工例もありながら進化しました
全館冷暖房の階間エアコンも同じだと思われます
高断熱住宅に適した全館空調の進化は楽しみです
すべては次の世代の人達のために建築技術は進化します
6.実測の温湿度が出ました(2020冬)
奈良県田原本町の家の2020年冬の実測が出ました
今回は温湿度計として
T&D社のデータロゴ「おんどとり」
で温度湿度を測定しました
温湿度計は外気温度、1階、2階と
測定をします
温度計として
床下、床下近くの1階
階間エアコンの
エアコン吸込み口とエアコンふき出し口
階間、階間近くの温度
合計6個のおんどとりで計測をしました
2月28日0時の測定です
No1 外気温度 3.4℃ No2 外気湿度 62%
No3 1階温度 20.4℃ No4 1階湿度 39%
No5 2階温度 20.2℃ No6 2階湿度 40%
No7 床下近温度 20.0℃ No8 床下温度 17.8℃
No9 階間エアコン吸込み口 21.4℃
No10 階間エアコンふき出し口 31.8℃
No11 階階近温度 20.1℃
No12 階階温度 21.3℃
1階、2階と温度差がほぼ0.2℃です
快適な空間が出来てるのが分かると思います
ここはQ1住宅レベル2です
Q値 1.11 Ua値 0.4
こちらにこのお家の性能やデザインが書いたブログです
やっぱり基礎断熱なので床下温度が少し下がってます
これが原因で床下エアコンをしました
やはり家の性能が一番大事になります
暖冷房の設備だけを真似しても
上手くはいかないと思います
断熱、気密、換気をちゃんと考えて
暖冷房の計画を立てるのをお勧めします
階間エアコンの吸込み口とふき出し口の測定写真
床下温度と床下近くの温度を測定してる様子です
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